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第8話

「流星起きろ」 懐かしい声がして流星は目を開けた。そこには数年前に亡くなった大好きな大叔父の姿があった。 「修ちゃん!」 流星は慌てて起き上がり修に抱き着く。 「おいおい、こんなにでかくなっても中身子供のままかよ」 修は笑いながら流星を抱き締める。 「修ちゃんなんでおると?あ、待って修ちゃんがおるって事は俺死んだと?」 ハッと気付き真顔になる。すると修は笑いながら「お前が死ぬわけなかろーもん!」と額を軽く指で弾く。 「じゃあなんでおると?」 「流星が悩みよるけん」 ふふっと小さい頃に良く見ていた笑顔を見せた。 「好きって感情はやっかいやな、人をひねくれもんにしてしまうし、悩んでしまう。ばってん、楽しかろ?」 修に聞かれて流星は頷く。 「特に相手が同性なら覚悟いるとばい?流星は覚悟あるか?」 修に聞かれて頷く流星。 「うん、そいなら良か!流星は俺に似とるけん、ちょっと心配ばい、ばってん葉月がおるけんな。あの子は強い子やな、いつの間にかお前ら逆転しとるやん面白かな……こげん面白か展開になるならもうちょっと生きておりたかったな」 修がそう言うと流星が涙目になった。 「すまんすまん」 修は流星の頭をグリグリと撫で「泣くなバカチンが!男やろーもん!しっかりせい!葉月ば幸せにしたかなら泣くな!そいが男ぞ!九州男子ばい」と豪快に笑った。 「修ちゃん、また会いたい」 「そげんと死ねばいくらでも会える。ばってんが葉月と力いっぱい楽しんでからこい!ゆっくりで良か!俺はここで待ってるけん、そんときは流星もじじいやろうけん、酒ば飲もうや」 「うん」 流星が泣きながら笑うと「流星」と葉月の声がどこからか聞こえてきた。 「ほら、呼びよるばい!」 修にそう言われて声をする方をみて、また修の方を見たが修の姿は消えていた。 「流星!!」 葉月の力強い声で目を開けると泣きそうな顔の葉月が自分を見下ろしている。 泣いている葉月を久しぶりにみた。子供の頃は良く泣いていたのにいつの間にか泣かなくなっていた葉月。 流星は葉月に手を伸ばすと「泣くなよ」と言った。 「泣いてない、馬鹿流星」 泣いてないと言いながらも泣きながらに強がる葉月が愛おしくなった。だから、葉月の手を掴み「アメリカ行くなよ!俺の側から離れんな、お前がいないとどうして良いか、わからんくなる。だから行くな、俺、お前が好きやけん」と言った。 葉月は照れたように「流星……凄く嬉しいんだけど、みんな……みてる」と言った。 流星はハッと気付く。 何故、葉月1人だと思ったのだろう? 葉月の側には洋一と流星の母親と担任の先生と医者がいた。 「嘘やん……」 流星は一気に耳まで真っ赤になり穴があったら入りたい心境にかられるのであった。

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