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第2話

嫌な予感が的中したのだ目の前で大切なひとり息子が池にうつ伏せで浮かんで居た。 桜夜は池に飛び込み向日葵を池から引き上げるが息はしておらず身体が冷たくなっていた。 5月で暖かいとはいえ池の水はまだ冷たい。 「頼むから目を開けてくれ!」 ーまた俺は大切な人の笑顔を失くすのか?ー 桜夜は小さな息子に人工呼吸を繰り返すが虚しく時間だけが過ぎてしまう。 ー助けてくれー 「ガッ、ハッ!ゲボッ・・・ゲボッ・・・。」 「向日葵!」 「ぱ・・・ぱ・・・・。」 向日葵は息を吹き返して桜夜を呼ぶとそのままグッタリとして意識を失ってしまった。 向日葵の身体が冷たいままで桜夜は急ぎ抱き上げると屋敷へと急いだ。 「桜夜様!」 「医者を呼べ!いや、車で病院へ行く早くしろ!」 ー頼むからまた目を開けて笑ってくれ向日葵・・・・お前の笑顔だけが・・・頼むから・・・また、俺から大切の笑顔を奪わないでくれ・・・・・ー 病院へ向かう桜夜は小さな息子の身体を抱きしめながらあの事件を思い出していた。 大切な人から笑顔を奪ったあの事件。

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