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第6話
桜夜が執事と病室に行くと向日葵は侍女にずっと桜夜が何処にいるかと尋ねてグズリ出していた。
「向日葵。すまなかった。」
「パパ!」
向日葵は桜夜を見るとパッと花が咲いた様に笑う姿は今も眠り続けている悠陽を思い出させた。
ー 悠陽・・・悠・・・。 ー
桜夜はベッドに横になっている向日葵の頭を優しく撫でながら笑い返した。
ー 悠陽の笑顔にまた会えた。もう手放したりしない。悠陽と俺の大切な宝物。ー
「パパ、ママに会いたい。」
「ママに?」
向日葵の我儘を聞いてやりたいが池に落ちてまだ数時間しか経っていない向日葵の身体を気遣い桜夜は困り果てていた。
「向日葵、今日は大人しくここで寝てくれないか?」
「ママに会いたい!」
向日葵は頭にある桜夜の手を退けようと力無い両手で一生懸命に引っ張ったり叩いたりとして退けようとしている。
「ママ、ママ!ママに会いたい。うわぁ〜ん!!」
向日葵は病室の外まで聞こえるくらいの声で泣き叫び出した。
何時もはこんな聞き分けが悪い事はしない向日葵。
「向日葵君、元気になったのかな?」
向日葵の泣き叫ぶ声で看護師が担当医である須賀(すが)を呼んでいたのだ。
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