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第7話
「泣き止んだらママに会わせてあげると言ったら?」
「本当に!」
さっきまで泣き叫んでいた向日葵が嘘みたいにピタリと泣き止み目を輝かせて須賀を見つめている。
須賀は聴診器を手に持って向日葵の胸に聴診器を当ててニッコリと笑った。
「今日だけ特別にママの側で寝ていいよ。」
「ママとねんね?」
「うん。少しだけ注射してお薬をのんだらママのお部屋に移動しようね。」
「うん!いたいがまん。おくすりのむ!」
ーここは悠陽も入院している病院だった。同室にしてくれと頼めたはずだ。ー
桜夜は向日葵を失うんじゃないかと動揺していたせいもあり冷静な判断が出来なくなっていたのだ。
目の前で注射を我慢して苦手な薬も言われた通りに飲んで顔を歪めながらも笑う向日葵を桜夜はただ黙って見つめているだけだった。
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