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第7話

「あ、きたきた。おはよう、高橋くん。味噌汁自分でよそってな」 「おはよう。味噌汁まで出来てるの、わりいな」 「全然よー」 リビングへ行くと4人がけのテーブルに2人が座って朝食を取っていた。 ちょっと前までは僕と佐藤の寝起きが悪くて、颯とゆづを困らせてたのに。 僕のことだけを2人はニコニコして待っていた。 「いただきます。相変わらずゆづは料理マメだな」 「いやいやー。男飯だし、食べてくれる人居ないと作る気湧かんけどな!」 味噌汁が胃にしみた。そういえば昨日の夜は何も食べていなかった。 「あ、高橋。今日の練習なんやけど、俺ら用事できてしまったのよ」 「そう!せやから、佐藤と2人で練習してもらうんでもええ?」 「えっ」 昨日襲ってきそうになった佐藤のことを阻止してくれた2人がそんなこと言うだなんて思わなかったから驚く。 まぁそれくらい信用してるって事なのかな。 僕だってあんなことがあったけど、佐藤のことは嫌いになれない。 メンバー内で1番年下ということもあるのだろう。 「わかった。2人忙しいもんな…」 「いやーほんまごめんほんま!」 本当に思っているのか怪しいおちゃらけた空気でペコペコするゆづに颯が吹き出す。 珍しく颯が腹を抑えて肩を震わせている。 なんだか風邪にでも伝染されたかのように、笑いが伝染して、気づくと3人で笑っていた。 幸せになりたい。四人で、みんなで。 みんなで明るい未来を見ていたい。 それはライブの成功だけじゃなくて、僕らの人生丸ごと全部の話だ。 幸せにしてほしい。 Ωだから、こんな受け身の発想になってしまうのだろうか。 だとしても、心の底から四人で幸せになりたいと思った。 たとえそれが難しいことであっても。

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