「ぅあっ、ふわ、やめろっ、」 下半身が丸出しの状態で、真人はイヤイヤと首を振った。いくら身を捻っても、両腕を保健室のベッドに固定され、逃げたくても逃げられない。 ―――何で、こんな事に。 不破の手が真人のアレを握り、擦り上げているのだ。乱暴な真似はひとつもせずに、その手の動きが巧みで、真人の体は素直に受け止めてしまう。 情けない声で喘ぐと、不破が熱に浮かされた顔で嬉しそうに微笑む。 「最初からこうすりゃ良かった。ね、先輩、気持ちいい？」 「いや、だっ、―――ひぃんっ、」 小さな真人のモノに、不破の親指の爪が食い込んできて悲鳴が出た。痛くて涙が滲むが、そこは熱くて痺れている。初めて触られた他人の手は、とても嫌なのに、信じられないくらい気持ち良かった。 ―――心と体がバラバラだ。 「嘘ばっかり。先輩から、いっぱい出てる。オレの手、べちゃべちゃ。」 「んぅ、ふっ、ぁっ、やめっ、ぁあっ！」 ぬちっ―――と、後ろの孔へ指が差し込まれ、真人は恐怖に体を震わせた。そのまま抵抗など一切なく、不破の指が根元まで侵入を果す。 中を犯される感覚が恐くて、あまりに恐くて、身動きひとつ出来ない。 「ぁ、ぁ、―――たす、」 ―――イヤだ。助けて、誰か。助けて、 「エル―――」 エルドレッド―――と、真人が言いかけた時、不破の指が何故か抜けていき、上に覆い被さっていた体重が軽くなった。 いつの間にか閉じていた目を開けると、上に不破はおらず、ドッと止まっていた心臓が動き出した。 視線を下げると、そこには最近見慣れた背中があり、向こうの床には不破らしき人が倒れていた。真人からはズボンしか見えないが、脚はピクリとも動かない。 「何で、ここに―――」 今ここにいる筈のなかった愛しい背中に、真人の目からポロリと涙がひとつ零れた。