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第2話

今日から主人は仕事の関係で数日家を空ける。 その間別の者が俺の相手をしてくれる。勿論性的なものも全て含まれている。 ここから逃げ出したい…兼ねてからの願いが一気に噴出した 人形じゃなく人になりたい…外の風を感じてそのまま逃げ出せば人になれるのかもしれない…そう思ったら迷いは無くなってその屋敷から逃げ出した… 今日の世話役の奴は少し抜けてて案の定部屋の鍵を掛けないで出ていったのだ。だからタイミングを見計らってそこから外に出た。 長い廊下を歩いた。幸い誰とも出くわさなかった俺はまんまと外に出た。 外は梅雨らしくどしゃ降りの雨。でも傘なんて取りに行く時間も惜しい。 久しぶりの外。じめっと纏わりつく不快感。 でも中に居るよりずっといい。 土地勘なんてほとんどない。目指す場所もない。ただ前を見て歩く。振り返らずに。 少しずつ人とすれ違うようになってきた。 少し寂れたスーパーの軒先見えたので一旦休憩することにした。 これからどうしよう… 「やまねぇな…」 その時後方から小さな小さな呟きが聞こえた。俺の好きな声だった。柔らかくて優しくてでもどこか気だるそうで思わず返事をしてた 「そうですね」 「えっ?」 勿論声をかけられた相手はとても驚いて後退る。その姿がなんだか可愛らしくてこれまで屋敷の中のあの部屋に来る人としか話していなかった分まだ話がしたくて言葉を続けた 「梅雨ですもんね。俺くせ毛だからこの時期大変なことになるんですよ」 変な人と思われて無視して去っていかれても仕方ない。そう思ったのに彼は返事をしてくれた。勿論訝しげに俺のことを見詰めながらではあるが 「はぁ…」 きっと人がいいのだろう。 「あ…突然声かけちゃってすいません。久しぶりに外に出たものでつい」 「はぁ…この辺りの人?」 まさかの質問が帰ってくるとは思ってなくて今度は俺が驚く番 「…まぁこの辺りっちゃあこの辺りです」 「あぁ。そう…ていうか…あんた…びしょ濡れ…傘は?」 「ないすね」 「家どこ?送ろうか?」 心配してくれたのが嬉しい。こんなこと久しぶりだ 「怪我してるし。手当てした方がよくない?」 あぁ…怪我…ね…これは俺を抱くときにそういう趣向の人もいて鞭を振るわれたから出来たもの。大して痛みはない。少し腫れてかすり傷が出来てる程度だから直ぐに治る。もっと酷い傷を追わされたこともあるのでこんなの舐めときゃ治る 「あ…ははっ!大丈夫!」 本当に大したことないから笑って答えると彼が真剣な表情へと変わる 「…家に帰れない理由でもある?」 「…まぁ…」 もうあの家には戻りたくはない…でもきっと直ぐに連れ戻されるのだろう…どうせ俺は主人から逃れられるわけもないのだから。だって俺の身体はあの人にされた様々な調教であの人無しでは生きていけなくなっているのだから。そろそろ帰らなくちゃ…そう考えていると思っても見なかった言葉が返ってきた 「んならうちくる?そのままだと風邪引いちゃうし」 まだこの人と居たい…少しでも現実を離れたい…でも…この人に迷惑がかかるのではないだろうか…ぐるぐると考えてたけど彼は誘うことをやめなかった。 彼の優しさに負け俺はついていくことにした

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