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第4話

「ただいま」 「おかえり。ほしちゃん」 もやもやした頭の中。いつものように彼を出迎えた。今日は昨日より匂いが強い… 「…何か臭いが違う」 「へ?」 「違う人の臭いする」 「取引先の人かな?」 取引先の人?そうかもしれない。でもそれだけならこんなに強くは薫らないはず… 「違う…」 そういうと彼は意を決したように口を開いた 「ごめん。帰りにね元カレに抱きつかれた。」 「あの?」 ほしちゃんはかつて結婚まで考えた男の恋人がいたことを初めてこの家に来たときに教えてくれてた。だから多分彼だ 「うん」 酷い振り方をしたのに今さらどうして? 「どうして?」 「実は少し前からあいつに迫られてる。抱いてくれって。勿論断ってるしはなちゃんに心配させたくないから言ってなかったけど。」 ねぇ。そんなに好だったんだもん。まだ気持ちがあるの? 「まだその人のこと」 「それは絶対にない。断言する」 断言してくれたときの表情に偽りはなくてとても嬉しくて… 「…ほしちゃん!」 「ん?」 「今日しませんか?」 そう提案してた。俺の全てを差し出したかった 「はぃ?」 声の裏返ったほしちゃんに動揺する 「ダメ…?」 やっぱり俺のことは抱きたくない?散々これまで焦らしてきたんだもん…諦めた? 「ダメなわけないけど!大丈夫なの?」 即答のほしちゃんに安堵する。良かった…まだ俺を欲しがってくれてた 「うん…」 「無理になったらいってよ?」 「はぃ…」 初めての夜はとても刺激的で濃厚で優しくて幸せで堪らなく愛おしかった。 こんなに体を合わせることが幸せなんて…こんなの知らなかった。 いつもよりずっとずっと感度の上がった俺の体は何度も何度も高ぶり果てた。こんなに厭らしい俺をほしちゃんは嬉しそうに愛おしそうに大切に抱いてくれた。 あいつらとしていたときは無理矢理に与えられる快楽を早く逃したくて言いなりになって果てていったのだが…こんなに幸せなら…早くこの体を差し出させば良かった。 ほしちゃんのこんなに嬉しそうな顔が見れるならもっと…早くに… 幸せのまま俺は意識を手放した。これが最初で最後になるなんて知らないままに…

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