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第6話
呆気なく快楽に落ちた俺を嘲笑しながら主人が問うた
「栗花落…こんな体なのに逃げ出して…辛かっただろう?早くめちゃくちゃにされたかっただろう?」
「はい。ご主人様」
そうなのだ…それは紛れもない事実なのだ。この快楽を俺は好んでるんだ…
俺は汚れてるんだ…
「逃げるなんてバカなことを…こんな体で普通に生きていけるわけがないだろう?」
「申し訳ありません。」
「あの男との恋愛ごっこは楽しかったかい?彼も君に誑かされて…可哀想に。その美しい顔と体で迫ったのかい?」
「はい」
迫ったのも本当。でも本当に愛してたんだ…
一生に一度の本気の恋愛だった…もうあの腕の中には戻れない…
「本当に悪い子だね」
そのあとはもう何もわからない。
暫くしてやっと解放されたけど動けないまま意識を手放した。
起きたら既にご主人様に指示された人たちに犯されていて甘くて激しい刺激を貪っていた。
ねぇ愛しているのならどうして他の人にも俺を抱かせるの?ご主人様…
もうどのくらい時が経ったのか。もう俺は快楽を貪るだけの人形となっていた
「ああっ!気持ちいぃ!!!もっと下さい!!熱いのをもっと…もっと…ください!」
「いい声だ。もっと聞かせて」
「んあっ!」
「君は最高のお人形だね。栗花落くんっ…ご主人様に感謝しないとね。今日も良かった」
「ありがとうございました。んん…」
「次は俺の番。ちゃんと映像残しておいてよ」
そんな会話なんて日常茶飯事。気持ちいい…気持ちいい…もうそれしかわからない。それが嫌で逃げ出したはずなのに…人形じゃなく人になりたくて逃げ出したはずなのに…愛する人もできたのに…でも結局ご主人様には逆らえないんだ…この心も体も…
「はなちゃん…」
幻聴まで聞こえてくるくらいほしちゃんのこと愛してた…でも…ダメだった…幼い頃から汚れてきた俺には彼は綺麗過ぎた…彼を汚してはならなかった…気持ちを伝えてはならなかった。どうしてあのとき伝えてしまったんだろう…今更何を言っても遅い…
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