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第8話

ほしちゃんと離れて何度目かの梅雨 この時期は毎年彼と過ごしたあの幸せだった一時を思い出す。開きはしない明かり取りのためだけの窓の外を眺めながら… ねぇ。君は今幸せですか? 君をあの孤独から誰か救いだしてくれましたか?君は本当は寂しがり屋だからとても気掛かりです 君が幸せを掴んでいることを俺は願ってる… 本当は…本当はね…君を幸せにするのは俺が良かったな…なんて…叶わない願い… 側にいられなくてごめん…君の元から逃げたんだもん…今さらあわせる顔もないね… ごめんね…ごめん…でも…愛してる… そして今年の梅雨も終わりに近付いてきた。 空には大きな虹が掛かって… 願わくば…君のところへ… 扉が開かれる。今日も欲に溺れる淫靡な遊戯が始まる… 「…栗花落…」 「はい…ご主人様…」

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