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第3話
「ご主人様!」
「栗花落。何かいいことでもあったのか?」
あれもこの時期だった…
「俺…外に出てみたい」
「どうしたの?突然」
「窓から虹が見えたから…みたいなぁって」
ついさっきまで梅雨らしい雨が降っていたのに今は晴れ間が見えている。
「わかった。じゃあいこっか」
「ありがとうございます」
たまにはいいのかもしれない…そう思って外に出してあげたのが俺の歯車を狂わせることになるなんて思わなかった。
一緒に外に出るとすでに虹は消えかけていたがまだ微かに見えていて…門の外に出ればまだ見られるかもしれない
そう思って門の外に出した。ほんの少しの晴れ間に人が足を止め空を見上げてた
「すごい…きれいです」
「そうだな」
キラキラと目を輝かせた幼い想い人。
これだけ美しく可愛らしい人と俺は出会ったことはない。そっと握っていた手に力を込めた
それを嬉しそうに握り返してくれた栗花落の笑顔…
その時
「あれ?こんな子いたんだぁ。どこの学校?」
学校帰りと思われるおそらく栗花落よりもいくらか年下の女だった
「学校?」
不思議そうに栗花落が首を傾げる
「あなたとても綺麗な人ね。お友だちになって」
「お友だち?」
女と話していたら数人の男女がやって来た
「うわぁ!綺麗な人!!あんまみないけどどこの人?」
栗花落はわらわらと囲まれてしまう。栗花落は戸惑いながら俺を見ていた
同年代の男女に囲まれる栗花落。困りながらあたふたとしている姿…
「あなたお父さん?」
お父さん…こいつらからみたらそう見える…わかってたけど…
「お父さんかっこいいね!」
…そういいながら始めに話しかけてきた女が栗花落の腕に腕を絡ませた…
嫌でもその姿は自然に見えて…そこで俺のなかで何かが弾けて…
「ごめんね。この子は体が弱くてもう家に戻らないと」
「そうなの?わかった!またね」
素直に皆立ち去っていった。空に出ていた虹ももう消えていてまた雨が落ちてきそうだ…
気づけば回りには人はいなくて…そのまま栗花落の手を引き部屋に押し込みベッドへ押し倒した。
「ご主人さま?」
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