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天気雨

未だ座りこんだままの和希の目の前に壮史も腰を降ろす。 いつものキスをする時のように少し顔を傾けた壮史の顔が近づくのを見て、和希は慌てて顔を背けた。 手を伸ばして和希の顎を捕まえ自分の方に向けさせると、まだ欲情の残る目で見つめた。 「キスはダメ?」 「ま、まだ壮の味するから…」 「それでもしたいって言ったら?」 顎をすりすりと親指で撫でる壮史が目を伏せながら近づく。 ダメだ。 この壮史に逆らえる気がしない。 和希も目を伏せ重なるだろう唇を待っていると。 コンコンコーンと寝室のドアが軽快にノックされた。 「ねーぇ、2人で何してるのー?」 麻衣の楽しげな声に2人ともが一瞬顔を見合わせた後飛び退くように離れた。 忘れてた…!!

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