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天気雨

「もう俺限界…」 和希を後ろから抱き締め、和希の項に頭を擦り付けながら壮史の泣きそうな声がする。 麻衣がこの部屋に来てからもう2週間がたった。 崇からの電話に出ようともせず、平行線のまま。 崇は気が済むまでしばらく置いてやってくれと2人に頭を下げた。 勿論浮気なんてことは誓ってしてない!と2人に断言していたが。 言い出したら聞かない頑固なところがある麻衣をよく知っている2人も、すぐ帰ると言いだすだろうとしふしぶながら了承した。 了承したのだが、すでに2週間… 今のこの抱擁も麻衣が風呂に入っているからこそできる事で。 麻衣は2人の寝室のベッドで寝起きしていた。 麻衣はリビングで予備の布団で寝ると言ったが、和希が譲らなかった。 それなら!と麻衣はベッドでかずちゃんと寝ると言いだし、 壮史が1人リビングで予備の布団で寝るハメになった。 食事の支度や掃除や洗濯はお世話になっているからと全部麻衣が引き受けてくれていた。 だから2人は大学の授業とそれぞれのバイトをこなすだけでいつもより楽なはずだった。 だったのだが。 若い2人、それも壮史の方は溜まりに溜まっていた。 「ラブホ、行く?」

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