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天気雨

うるさい和希の口を塞ぐように壮史は唇を合わせすぐさま舌を滑り込ませる。 そうしながら和希の服の裾から手を入れると腰から腹、腹から胸へと時折力を入れたり抜いたりしながら愛撫を始めた。 指の腹が和希の胸の突起を擦ると、和希の腰が揺れた。 がばりと和希の服を捲りあげ壮史の舌が突起に向かう。 チロチロと舐められ吸われると和希の甘い声が洩れ出した。 吸ってない乳首は指で挟み擦り爪で弾く。 和希の腰がもどかしそうに揺れ始めたが、壮史はそれを見てみぬ振りをし胸への愛撫を続けた。 「そぅ、触ってほし…」 和希からの珍しいおねだりに喉が鳴った。が、それに気付かれないように壮史は胸の突起から脇腹に舌と手を滑らせながら聞いた。 「どこ触ってほしいの」 そろそろと和希の手が降りていき、こんもりと山を作っている股間で止まる。 「も、勃ちすぎてて、痛い、お願い…」 思わず唾を飲み込んでいた。 快感に濡れた目が揺れている。 顔だけではなく、全身がうっすらと赤く、それはもう壮史からしてみればどうぞ召し上がれという状態以外の何ものでもなかった。 が、普段滅多におねだりなんてしない和希からのおねだりに、意地悪をしたくなるのも、これまた悲しいかな男の性なのだ。 「自分で触っていいよ?」 腰骨に柔らかく噛み付き痕を残しながらそう言うと、和希の手が壮史の頬に触れた。 和希の顔を見ると泣き出しそうなほど眉を潜め、欲情した息使いがする。 「壮史の手がいい、壮の手じゃなきゃ、あっ、気持ちくなれない、お願い…」 つつぅーと和希の目から涙が流れるのを壮史はスローモーションのように感じていた。 自分の奥にある何かがぷちんと音を立てて弾け飛んだ気がした。

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