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梅干しのヤキモチ

寝不足で頭痛がする。 和希は両手でこめかみをぐりぐりと押さえた。 昨日バイトが終わって帰ってから、課題をやっつけていると壮史がちょっかいを出してきた。 もちろん抵抗は試みたが、結局いつものように喉が枯れるほど喘がされ、イかされた。 昨夜のあれこれや壮史の声を思い出し、和希は顔が赤くなるのを感じて慌てて頭を振った。 あいたたた… 頭痛がしているのを忘れてた… 思わず苦笑いしてしまった和希に声が掛かる。 原田だった。 見た目からして、もう熊である。 身長は壮史と同じくらいだろうか、でも横幅と厚みが全く違う。 原田と話す時はいつも和希の頭の中では童謡の森のくまさんが流れてしまうほど、 いつもニコニコと笑っているこの男は優しい熊さんだった。 大家族の長男だといつだったか話してくれた。 そのせいなのか、何かと世話を焼いてくれている。 一緒の授業が多いため、自然に顔を合わせる機会が多々あり、どちらからともなく話しをするようになった。 「戸川、今日時間ある?」 熊さんが大きな身体を畳むように和希の顔を覗き込みながら聞いてきた。

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