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梅干しのヤキモチ

「今日バイト?」 「いや、今日は休み」 …だから昨夜壮史からの行為を甘んじて受け止めたのだが。 「じゃあこれから俺のバイト先来ない?店長が戸川連れてこいってずっと言っててさ」 大きな手で頭をがしがし掻きながら原田が言う。 その言い方で何度かは断っているのだろうと安易に想像できて和希は思わず笑ってしまいながら頷く。 「ん、いいよ」 和希は原田も原田のバイト先も好きだった。 自分からは誘えない性格のため、原田がこうしてたまに誘ってくれるのも素直に嬉しかった。 大学から駅2つ離れた原田のバイト先は原田の実家と目と鼻の先。 居酒屋風の飲み屋のその店は原田の雰囲気によく合っていた。 「はよーござーっす」 体育会系まる出しの挨拶をしながら原田が従業員専用入り口を開けると、店の奥からも呑気な挨拶が小さく聞こえてきた。 「てーんちょー、戸川連れてきましたー」 原田が店の奥に向かってそう言うと、ここで待っててと和希に告げ更衣室に消えた。 原田が消えたのと入れ違いに店の奥からバタバタと走ってきた人物に和希は言葉を発する間もなく抱き締められた。

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