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梅干しのヤキモチ

「店主兼調理人の里中涼二です」 涼さんて呼んでねと笑う長身でやたら顔のいいこの男に、和希は釣られて笑い、 その笑顔を見た涼二に抱きしめられ、 原田がキレ気味に涼二の腕から和希を助け出すという、忘れたくても忘れられない初対面だった。 「俺、バイなんだよね」 二回目に会った時だったか、涼二がそう言った。 まるで、明日の天気は雨だよねくらいの言い方で。 涼二のその言葉は和希に重いパンチを喰らわすには充分だった。 何度も頭に浮かび、でも考えないようにしてきたこと。 自分はもう壮史以外の人と付き合ったりそういう行為をすることは考えられない。 だが、壮史は? それを考え出すと、脚が地に着いていないかのような不安な感情で支配されてしまう。 普段から優しいが、行為中の壮史は勘違いをしてしまうくらい和希を甘やかす。 身体に触れる手も、名前を呼ぶ声も、 まるで愛おしいと言われている錯覚に襲われる。 好きだと言われなくてもいい、 だからせめて、 愛おしくてたまらないと触れてくれる行為を拒むことが出来ないのだ。

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