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梅干しのヤキモチ
「おはよ、もう昼過ぎてるけどな」
いつもと変わらない壮史が台所から出てくると顔を洗いに行く和希にすれ違いざまに軽くキスをした。
朝っぱらから恥ずかしいヤツ…
顔を赤くしながらも特に文句も言わず和希は顔を洗いに洗面所に向かう。
顔をばしゃばしゃと洗いながら、
あぁ、もう朝じゃないんだっけ、とぼんやりと思った。
時間はこの際どうでもいい、この匂いはなんなのか、それを壮史に聞かないと。
和希は鏡にきりっとした顔を映してみてから、リビングに向かった。
昼飯作っといた、と爽やかな笑顔で言う壮史に和希は顔を引きつらせた。
テーブルには梅干しチャーハンに梅干しの中華スープ、
中華くらげの梅干し合え。
なぜこんなに梅干しまみれなのか…
梅干しは和希の嫌いな食べ物だった。
でもせっかく作ってくれ、出された物は食べずに捨てるなんてことは絶対しないと決めている和希は大人しくちょこんと小さく座り、
いつもよりかなり小さく口を開けもぐもぐと食べ始める。
小動物の食事のような光景に、壮史は和希に見られないようにニヤリと笑った。
壮史以外の男に触らせた、和希へのお仕置きだった。
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