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誕生日のユウウツ
「ご馳走さまでした」
手を合わせて壮史が言う。
久しぶりにとった一緒の夕飯。
はー美味かったと腹を擦る壮史を見て和希は嬉しそうにまた照れくさそうに笑った。
基本的に料理は和希がやっていた。
大学は同じだが、取っている講義が違うし、バイト先も違うためすれ違いになることもままある2人。
話し合って決めたのではなく、いつの間にか水曜日はバイトを休み、一緒に夕飯を取るのが習慣になっていた。
「風呂貯めてる」
キッチンで洗い物をしている和希に壮史が声をかける。
ん、と短く答えた和希を後ろから壮史が腕を回して抱きしめた。
「…邪魔」
「風呂、一緒に入る?洗ってやるから」
壮史は甘い声で和希の耳元に囁く。
ついでにと言わんばかりにキスをするのも忘れない。
チュとあちこちにキスを落とし、時折強く吸い付いて痕を残す。
「…こら」
形ばかりの和希の注意に壮史は軽く笑ってから、和希を自分のほうに向かせてから唇を合わせた。
唇を合わせるだけのキスを何回かしてから壮史の舌が入り込んでくる。
ぞわりと腰から背中を何かが駆け上がり、和希は身体を小さく震わせた。
「ダメだ、スイッチ入った」
壮史は欲情した声でそう言うと流れたままだった水を止め、和希の手を引き風呂場に向かった。
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