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誕生日のユウウツ
涙を拭きながらも女の子は頭を下げて挨拶をした。
「阪本小実です」
はぁどうも、と和希も頭を下げる。
「大学行ったらウロウロしてるこの子と会ってさ、顔見た瞬間、皇史のお兄さんですか?って」
あぁ、2人似てるからな。
壮史の方がだいぶ男前だけど。
和希ははたと顔を赤くした。
そんな和希に首を傾げながら壮史は続ける。
「突然泣き出して話しにならないし、泣いてるからどっかそこらの店でって訳にもいかなくて、話し聞こうとしてるところにお前が帰ってきて」
和希の耳元に口を寄せ、
俺が浮気してるかもってパニくったんだよな、と唇を耳朶にくっつけた。
壮史の身体を押しやると、真っ赤になりながら和希は飲み物を用意するために立ち上がった。
壮史がコーヒー飲める?と聞くと、はいと小実が頷くのを聞きながら、和希はキッチンでコーヒーを用意した。
3人共がコーヒーを一口飲むと、壮史が切り出した。
「それで、話しって?」
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