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誕生日のユウウツ

吹き出したコーヒーを拭いている和希を横目に、壮史は冷静に小実に話す。 「そういうセックスの話しはそれこそ2人で話さないと解決しないよ。2人がすることだから。小実ちゃんがどうしても嫌ならそう言えばいいし、少しでも興味があるなら2人で勉強して挑戦するのもいいんじゃない?」 小実はまだ赤いままはいと頷いた。 そしてまたもじもじし始める。 まだ何かあるのか… 「あ、の、お兄さんたちは詳しいから聞いてみたら?って皇史に言われたんですけど…」 「ごめん小実ちゃん、なんの事かわからない。皇の勘違いだ」 和希は背筋に冷たい汗が流れた気がした。 滅多にないことだが、壮史が本気で怒っている。 そもそもが勝手に大学を教えたり、自分の知らない所で自分の話しをされたり、そういうことを壮史は嫌う。 セクシャルなことならなおさらだ。 小実がお礼を言って帰って行くと、壮史はすぐさま携帯を触り電話をかけた。 「今すぐ家に来い。はぁ?!知るか!来ないなら今日の誕生日、お前抜きだからな!」 言うだけ言うと壮史は電話を切り、ソファに携帯を放り投げた。

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