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誕生日のユウウツ
ピーンポーン
チャイムが鳴ると壮史が無表情のまま玄関に向かう。
和希はキッチンから出たり入ったりを繰り返しオロオロと歩き回る。
「和希、久しぶり」
おうと返事をした和希はまじまじと皇史を見た。
高校時代の壮史を見ているようで照れくさくて仕方なかった。
声まで似ている。
さぞやモテるだろうなと和希が呑気に思っていると。
「お前バカだろ」
いきなり始まってしまった…
「なんの権利があって、勝手に人の大学とか教えてんの」
「大学くらい別にいーだろ、相変わらず細かいな壮史は」
「お兄ちゃんて呼べ!それに何、普通のセックスすらまともに出来ないクソガキがアナルでやりたいって?一人で好きなだけオナってろよ!」
「壮史に何がわかんの、俺のセックスが下手かどうか、見たことないだろ!」
「見なくても性格でわかるんだよ。自己中なお前なら自分がイクことしか考えてやってねーだろ」
「自己中じゃねーよ!」
「しかも早漏、あれからちゃんと剥けたのか?」
「あああ当たり前だろ!!!」
「早漏とのセックスとか遥ちゃんかわいそうだな、満足できねーだろ」
「言っていいことと悪いことがあるだろ!!」
「お前が小実ちゃんに話したことは俺らに確認しなくても話していいことなのか」
「…………ごめん、軽率だった」
それとな、と壮史は無表情のまま続けた。
「和希って呼ぶな」
ぽかんと口を開けて止まったのは皇史だけではなく、キッチンにいた和希もだった。
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