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誕生日のユウウツ
相澤家での約束の時間まで2人はぎくしゃくしたままで過ごした。
まさか崇や皇史にまでバレているとは思わなかった。
そういう行為をしてはいるが、壮史から好きだと言われたことは一度だってない。
もちろん和希からも言ったことはないのだが、和希の場合はもうだだ漏れかもしれないと思っていた。
相澤家に着くまで2人に会話らしいものもないままだった。
相澤家に着くと着くなりクラッカーでのお出迎えをされ、
麻衣が手料理を振る舞ってくれた。
相澤家みんなからだともらったプレゼントは和希の好きなブランドのベルトと片方だけのピアスだった。
弾けるような笑顔でお礼を言う和希に相澤家みんなも笑った。
「壮ちゃんからは?」
麻衣にそう言われ、壮史が固まる。
「ま、麻衣さん、いいんですって。俺らそんな関係じゃ、ないから!
壮史は俺に同情してるだけだから」
ええー?と不満げな麻衣に和希は笑ってみせる。
と、いきなり強い力で腕を掴まれた。
「帰るぞ」
壮史はそれだけ言うと和希を引っ張りながら相澤家を後にした。
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