78 / 412

誕生日のユウウツ

怒っている壮史を見るのは今日だけで二回目だ。 何か怒らせることを言っただろうか… 和希は強引に座らされたソファで小さくなっていた。 寝室に行っていた壮史が怒った表情のまま戻ってくる。 と、和希にラッピングされた箱を投げて寄こした。 「あ…ありがとう……」 開けても?と目で問かけると、うんと頷かれる。 包装紙とリボンを丁寧に外し、開けてみると。 中に入っていたのは、指輪だった。 あのな。 壮史は深く息を吐き言った。 「鈍い疎いにも程があるだろ! 昔言ったよな? 俺が抱きたいのは和希だけだって! まさか忘れてんのか?」 ううんううんと必死で首を振る。 「なんでそれでわからない!? なんとも思ってないやつと一緒に暮らすか?普通! 同情で男とセックスするか!? 全身触って舐めたりできると思うのか!? なんでわかんねぇんだよ! お前が! 好きだからに決まってんだろ!!」

ともだちにシェアしよう!