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贅沢なスレ違い
カレーの準備をして、2台あるでかい炊飯器に米をセットすると、
和希と武市は一階のほかの部屋の片付けに移った。
武市はトイレと風呂掃除、和希は祖父母の部屋と両親の部屋の掃除にとりかかった。
まずは両親の部屋からと掃除をしていると黒い猫が甘えてきたので喉を撫でてやる。
すぐにゴロゴロと喉を鳴らし身体を擦り寄せる。
「かわいーね、お前」
が、遊んでる場合ではない。
部屋にいた祖父に断りを入れてから祖父母の部屋はざっと掃除するだけに留めた。
二階へ続く階段も埋まっていて、上を見上げながらため息をつくと、さっきの黒猫が足元に擦り寄ってきていた。
抱き上げると顔を和希の顔にぐりぐりと喉を鳴らしながら擦りつける。
「気にいってくれたの?」
ニァーンとかわいい声で返事をしてくれる黒猫に思わず笑みが零れた。
猫を降ろし、とりあえず階段を埋めている物を全て階段下に落とす。
階段を拭き掃除してから、さっき落とした物をゴミや服なんかと分けておく。
キッチンに戻り、野菜の煮え具合を確かめてからルーを入れると、食欲をそそるカレーのいい匂いが漂ってきた。
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