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贅沢なスレ違い

ご飯の炊ける匂い、カレーの香ばしい匂い。 それに釣られるように子供たちが帰ってきた。 長男の豪、 次男の海、 長女の凛、 次女の咲、 三男の圭。 コインランドリーに行っている原田を除いてわらわらとキッチンに集まってきた。 咲と凛が料理はなんとか頑張っていたらしいが、量もいるとなると大変だったろう。 和希と武市は買い出しに行き、常備菜を作ることにした。 ひじきの煮物、切り干し大根の煮物、たまたま見つけた大根葉としらすのピリ辛炒め、 金平ごぼう、里芋の煮物。 冷たくても温めても食べられる数種類を冷蔵庫に入れとけば、おかずの足しにはなるだろう。 「戸川、慣れてるし上手いなー、凄いよ」 武市に言われ和希は赤くなりながらも、 自分が少し役に立てていることが嬉しかった。 賑やかな…いや戦争みたいな食事が終わり、兄弟達が順番にお風呂に入っている時、 急いで二階の掃除やら片付けをし、 原田と渡邉は最後のコインランドリーから戻ってきた後、 和希達に原田が深々と頭を下げた。 「本当に助かった!」 そう言ってなかなか頭をあげようとしない原田を見て和希は思った。 晩飯だけでも手伝いに来たい。 壮史が反対しても手伝いに来ようと和希は決めていた。

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