102 / 412
贅沢なスレ違い
目覚ましがなる前に目が覚めた。
昨夜寝たのが早かったのか、自慰をしたせいか、
妙にすっきりした頭で、二度寝しようという気は起きなかった。
和希は冷たいままのベッド半分に手を伸ばし、
愛しい人の名前を口にした。
鍵穴に鍵を入れる音がし、和希は飛び起きた。
寝室を飛び出し玄関に向かう。
和希を起こさないようにそうっとドアを開け、壮史が入ってくる。
「うおっ!」
和希の姿を見た壮史はびくりとし声を上げた。
そんな壮史に笑い、和希は壮史に抱きついた。
荷物を置くと壮史も両腕を回して和希を抱きしめる。
「起きてたのか…」
壮史の胸に顔を擦りつけながら和希は小さく頷く。
「壮…会いたかった……」
俺もと壮史は抱きしめる腕に力を入れた。
ともだちにシェアしよう!