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お好みのままに、は難しい
こっちと涼二が入って行く道は本当に裏通りで、表通りとは違い人も疎らだ。
未遂とは言えあんなことがあった後だ。
信用して着いて行っていいものなのか。
和希は脚を止めたまま離れて行く涼二の背中を見ていた。
着いてこない和希に気付いた涼二が苦笑いしながら戻ってくる。
「…ごめん、ちゃんと謝ることすらしてないもんね俺。警戒するのは当たり前だよな。
……あの時は本当にごめん。もう二度とあんなことはしない」
和希ちゃんを好きだったのは本当なんだけどね、と涼二は辛そうな顔を一瞬だけ見せた。
涼二は入って行った裏通りの奥を指差しながら、
ずっと真っ直ぐいった左手に赤い看板のfavorito(ファボリート)って店があるからと和希に言った。
「気に入る物があるといいけど、じゃあね」
「あ、ありがとうございます!」
和希の言葉に涼二は以前のように笑顔を見せた。
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