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コタツとマスクと甘えん坊

サウナのような熱さに和希は唸り声を上げた。 その自分の声に驚き目を開けるとベッドに寝ていたのを思い出して安堵する。 掛けていた布団を蹴るようにしてはぐ。 身体中から汗が吹き出ていて、その気持ち悪さに和希はのろのろと身体を起こした。 シャワー、はマズイか。 とりあえず着替えを。 そう思いベッドの端まで移動し立ち上がるが思った以上の身体の重さにまたそのまま腰を降ろした。 朝から大学に行きいつものように講義を受けた。 どんどんだるく重くなる身体にドクンドクンと鳴るように頭痛がする。 下を向くと吐きそうで、でも上も向けず机に突っ伏しているとそっと身体を横にされた。 目を開けるのもしんどかったが、うっすらと目を開けると原田が心配そうな顔で見下ろしていた。 原田が何か言っているが、よく聞こえなかった。 ふわりと身体が浮き、動かされる振動に吐気が込み上げ、和希は原田の肩を弱く押した。 あやすように腕を撫でられ、和希は一度意識を手放した。 馴染み深い匂いと触れる感触に目を開けると壮史がすぐ側におり、和希の髪をそっと撫でていた。 和希はふうと息を吐くと安心して目を閉じた。

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