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コタツとマスクと甘えん坊

「和希、ほら上向いて」 「……や、やだ」 「拭けないし身体が冷えるだろ、ほら」 堪えきれない笑みを噛み殺しながら壮史は和希の腕を引き仰向けにさせると、 和希はトレーナーの裾を必死で引っ張りソコを隠していた。 ふはっと思わず出た笑いを下を向くことで誤魔化し、壮史は脚先からさっきと同じように丁寧に拭き始めた。 汗をかいて気持ちが悪いのをさっぱりさせてやりたい、その思いに嘘はなかった。 あまりにも和希が恥ずかしがるためほんの少し意地悪をしたくなるのは良しとしてもらおう。 ふくらはぎも太腿も拭き終わり、残っているのは和希が必死で隠している場所だけとなり、 和希は赤い顔を隠そうと壮史に背を向け、でもトレーナーの裾を離そうとはしない。 「和希、ほら、あとここだけだから」 「………ここは、いい」 「なんで?座薬入れたし気持ち悪いだろ?」 ほら、と孔の部分に指を這わすとぬるりとした感触がし、和希がびくんと身体を反らせた。

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