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コタツとマスクと甘えん坊
髪を撫でられる感触に壮史が目を覚ました。
和希が寄り添ったまま壮史の髪を撫でていた。
「………熱は?」
「たぶん、ない」
そっかと安堵のため息をついた壮史に和希がさらに擦り寄る。
壮史が和希の身体に腕を回し抱き締めてやると和希は顔を壮史の胸に擦りつけた。
「壮……ありがとう」
小さく言いながら和希の腕も壮史の身体を抱きしめてきた。
「……………好き」
壮史は固まったまま瞬きを繰り返す。
そんな壮史を知らずに和希は壮史の顎にちゅとキスをした。
「壮……好き」
途端に質量をぐんと増したソレを悟られないように腰を引きながらも壮史は和希を抱く腕に力を込めた。
もしかしたらまだ熱があるのかもしれない。
そうでなければこんな風に好きと言ったり、ましてや全身を摺り寄せて甘えてきたりしないだろう。
いや、でも……
ひょっとして和希からのお誘いかもしれない。
いやいや、それはないか……
ぐるぐると考えながら壮史は理性を総動員で奮い立たせつつ、和希を長い間抱き締め、
和希は全身で壮史に擦り寄り存分に甘えた。
壮史が必死で隠そうとするソレに時々膝を当てながら気付かない振りをして、甘えるだけ甘えたのだった。
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