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コタツとマスクと甘えん坊

翌日にはすっかり熱が下がり体調の戻った和希だったが、高い熱に懲りたのか家の中でもマスクを手放さなくなった。 それを見る壮史は眉間に皺をよせる。 「和希」 「なに…ん!」 こたつに潜り込むように座っていた和希を呼び上を向かせた壮史はマスクの上から和希の口を覆うようにしてキスをした。 マスク越しに壮史の舌が唇を舐める。 が、マスクが邪魔をして壮史の熱が届かない。 マスク越しに唇を歯で挟まれ舌でなぞられ、和希は壮史の胸を弱々しく押した。 「マスク、家ではしないから……」 お互いの唾液で濡れたマスクを外しながら和希が壮史を見上げる。 「しないから、何?」 「……………ちゃんと、キス…して」 和希の腕が壮史の首に回され、壮史は我慢しきれずに上がった口角をそのままに、 和希に誘われるように深いキスをしに唇を落としていった。

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