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初心にかえる初詣
「すみません、弁償します!」
頭を深く下げて詫びてから和希がそろそろと顔を上げると、見た事がある顔が困ったようにマユを下げていた。
「あれ、講義一緒のやつあるよな?」
和希が聞くと困った顔のまま頷く。
「和田帆波」
低い声が名前を告げる。
和希も名乗ると知ってるよと和田は人懐っこい笑顔を見せた。
「本当にごめん、メガネないと困るだろ?これから作りに行く?」
「いや、俺も前方不注意だったし。」
「俺あと一限出たら空くから買いに行けるけど」
「今日は無理だ、これ特注だから」
申し訳なさそうに和田がまた眉を下げた。
「じゃあ、新しいの出来たら言って、弁償したいし」
和田が口の横に手を置いて内緒話をするような素振りを見せたので、和希は耳を寄せる。
「これ、7万するけど?」
「な!?」
思わず大きな声が出た和希は慌てて口を押さえた。
そんな和希を見て和田は肩を揺らしながら笑った。
「弁償は本当にいいよ、一応代わりのが家にあるし」
「じゃあせめて!今日送っていく!」
また大きな声を出した和希はあわあわと焦りながらも絶対送ると和田に言った。
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