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初心にかえる初詣

和田が和希を見つめたまま和希の手に触れる。 「冷えたね、帰ろう。またラッシュになるといけないし」 すぐに離れていった手は和希と違い熱く、それは缶コーヒーのせいなのかと和希は聞けなかった。 捨てる時に触れた缶は冷たかった……… 夕飯の買い物をして部屋に帰ると壮史はまだ帰ってきていなかった。 簡単に夕飯の支度をしてから洗濯物を取り込み畳む。 手抜きのお風呂掃除をして、脱衣場で冷えた足を拭いていると壮史が帰ってきた。 湯を貯めるスイッチを押してから和希は玄関に向かった。 「ただいま」 出迎えた和希に笑い、ハイカットスニーカーを脱ぐ壮史に和希はそっと抱きついた。 「和希、身体冷えてないか?」 コートはおろかまだ片方しか脱げてない靴もそのままに壮史は和希を抱き締める。 いつものように和希の髪に鼻を埋めた壮史はふんふんと鼻を鳴らした。 「……………なんか、犬くさい?」 「あ」

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