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初心にかえる初詣

気がついたら大晦日が明日に迫っていた。 原田達との勉強会や、ギリギリまで目一杯入れたバイト、 甘いクリスマスに、大掃除。 そう言えば!とげんこつで手のひらをポンと叩くくらいには忘れていた和希は、 ソファでゴロゴロしていた壮史の尻を叩いて年末年始の買い出しに出掛けた。 「そばとうどん、どっちにする?」 「んー、そば」 そばを2袋カゴにいれてから、和希は近くのかまぼこ売り場に目をやる。 かまぼこをカゴに入れ、そのまま精肉コーナーで肉を吟味していると、どこかへ行っていた壮史が戻ってきた。 「和希、これ買っていい?」 壮史の手にはパキッと二つに割って食べるチョコレートがあった。 和希はぶわっと頬を染めて顔を背けたが、うんと小さく頷いた。 初めて2人が繋がった日、そのチョコレートを2人で食べたのだ。 その日も大晦日だった。

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