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初心にかえる初詣

ゆっくりだった動きが段々と早くなり、 堪えきれない声を和希は自分の指を噛むことで我慢していた。 「こら」 壮史が和希の手を取り、噛みあとの着いた指を舐める。 「声我慢するなよ」 和希を見下ろしながら壮史は和希の指に舌を這わせる。 そうしながらゆるゆると腰を動かす壮史に和希は欲情していた。 こうして壮史を見上げるのは自分だけ、 これから先ずっと誰にも譲らない。 壮史に揺らされ徐々に高まっていく身体を持て余しながら和希は思っていた。 壮史の身体が汗に濡れていく。 伏せた目を長い睫毛が縁取り頬に影をつける。 首から流れた汗が胸に届き壮史が手で拭う。 壮史の視線、仕草、息遣い、その全てを見逃さないように忘れないように和希は胸に刻みつけた。

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