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酒とスパイスのチョコレート

「お前らって、どノーマルのセックスだけか?」 顔を赤くして西園寺を睨んだが、からかっているのではない西園寺に和希は拍子抜けしたようにうんと首を降ろす。 「ノーマル以外のって、例えば…?」 「まぁいろいろあるよな、玩具とかコスプレとか」 ないないと和希は頭がとれそうなほど首を振る。 西園寺はふぅと短いため息を吐いた。 「ノーマルじゃないっつっても割と普通に使ってんぞ、本当に全くないのか?」 改めて思い返してみてもないものはないのだ。 道具と言える道具はローションと避妊具くらいで、他に使ったことはこれまで一度もなかったし、 壮史からも自分からも使ってみようと提案したことすらなかった。 何やら考え込んだ和希を見て西園寺はニヤリと悪い笑みを浮かべた。 「おっさんがいい物用意してやるからバレンタイン前にも一回店に来い」 「え、やだ」 「なんでやなんだよ」 「変なグッズとかになりそう」 「レベル高ぇのは避けといてやる。ひよこちゃんレベルに合わせてやるから。 お前は甘くないチョコレートでも探して買っとけ」 和希の頭をまたぐりぐりと撫でて西園寺は笑った。

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