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酒とスパイスのチョコレート

いつもより長く入っていた風呂から出ると代わりに壮史が風呂場に向かう。 「チョコ旨かったよ」 和希の頬にキスをして壮史が言うと和希は嬉しそうに顔を綻ばせた。 壮史が風呂に入ったのを確認してから和希は寝室に向かった。 西園寺から渡された袋の中身を今日の今まで確かめてなかったのだ。 恐る恐る開けて見ると、 ピンクのふわふわのファーのついたアイマスクに、 これまたピンクのファーのついた手錠が入っている。 こ、これ、俺がつけるの!? 物は試しにとこわごわ左手に手錠を嵌めてみる。 ファーのおかげで引っ張ってみても痛くも何ともない。 手錠をつけた手をまじまじと見つめる。 こういうのってもっといやらしいとか痛そうなイメージがあったけど、案外そうでもないもんなんだな。 壮史が戻って来る前に外して隠そうと手錠の鍵を探す。 袋を何度ひっくり返しても鍵らしき物がない。 和希は赤かった顔を青くしながら慌てて携帯に手を伸ばした。

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