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酒とスパイスのチョコレート
「そ、壮史、これ、鍵ないって、
西園寺さん明後日まで帰ってこないって」
途端にまた焦り泣き出しそうになった和希をやんわり抱きしめてやりながら、それ嘘だなと壮史は即座に思った。
「大丈夫だって、これ本格的な物じゃないし、後で外してみるから」
「……壮史が、外してくれんの?」
うんと頷いてから和希の髪に鼻を埋める。
それだけで目に見えて落ち着いた和希を抱き上げてソファに座る。
膝の上に和希を座らせ手錠で繋がれた腕を自分の首に回す。
急に近くなった壮史の顔に和希は視線も顔も下に向けた。
あのおっさんは気に食わないが、今回は乗っかってやってもいい。
恋人同士になってから初めてのバレンタインだ、
とことん甘くなってもいいだろう。
壮史は和希の首筋に唇を落としながらどうやって和希を甘やかそうか考えを巡らせた。
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