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酒とスパイスのチョコレート
あらかたの後始末を終えられた和希はそろそろと仰向けに身体を戻し、腕を壮史に伸ばした。
「壮史、これ、もうやだ…」
和希の目に涙が浮かぶ。
みるみるうちにその涙は目の端から溢れ流れた。
「壮史、抱きしめたい、のに」
ずずっと鼻を啜りながらも和希は続ける。
「お願い、外して…」
ほんの数分前まで淫らに声を上げ喘いでいたのに、
今泣いて強請る和希は処女のように怯えて怖がっているかのようで、
壮史はみたびこみ上げる欲を押さえ込み和希の両手首を掴んだ。
そのままブチンッと鎖を引きちぎると和希の身体を起こし強く抱きしめた。
和希の腕がそろそろと壮史の身体に回され、壮史のするように強く巻き付くと和希が深い息を吐き出し顔を壮史の肩口に擦り付けた。
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