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酒とスパイスのチョコレート

和希が驚くほど一瞬のうちに手錠を外した壮史は、 和希が動くのを許さないほど甘やかしながら風呂に入れて洗った。 身体を拭き着替えさせると、和希を抱き上げ寝室に行き、取り替えたシーツにそっと和希を寝かせた。 和希はもう全身を赤くしている。 一言も言われてはいないが、好きだ愛してると壮史に告げられているようで、 どうしていいのかわからない。 そんな和希を知ってか知らずか、壮史はいつものように後ろから和希を抱きしめ自分の胸に引き寄せる。 背中から伝わる壮史の音はゆっくりと打ち、 それを感じているうちに和希の瞼が落ちていった……… 和希が寝入ったのを確認してから壮史が起き上がる。 カバンの中から和希へのプレゼントを取り出すと、和希を起こさないようにそっとピアスの空いている左耳に触れた。 誕生日に相澤家から贈られたピアスの少し上にプレゼントをつけてから思わず笑う。 明日いつ気付くだろう。 どんな顔でお礼を言ってくれるだろう。 想像するだけで不味い酒も旨くなりそうなほど楽しみで仕方がない。 和希の横に寝そべり、和希の身体をそっと抱き寄せ壮史も目を閉じた。 あのおっさんに不味い酒でも選んでやるか、と渋々思いながら。

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