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大人でも子供でも
もやもやを抱えたまま一人でいたくなく、
和希は無理があるくらいバイトを入れ、
これまでと同じように原田家へも顔を出し、
それが壮史との時間がもっと減っていくのにも気付かない。
壮史の疲れた顔。
自分の窶れた顔。
乾かない洗濯物。
ずっとジメジメしたままの空気。
何もかもが気に入らない。
どうしてこんなにもやもやするんだろう。
どしゃあーと雨の音が大きくなり、西園寺は咥えタバコのまま店のドアを開けた。
道路が水浸しでちょっとした川のようになっている。
バケツどころか、でかい水槽をひっくり返したほどのすごい雨。
表通りはわからないが、この裏道は誰一人として歩いていない。
まだ夕方前だというのに空もどんよりと暗くライトを付けないと前が見えないほどだ。
こりゃー客こねぇな……
西園寺は咥えていたタバコに火をつけると閉店の片付けを始めた。
片付けと言っても傘立てと外看板をしまうだけだが。
雨の音に小さく水音が混じり畳んでいた外看板から目を上げると、
傘が何の意味もないほど全身ずぶ濡れになり干からびそうな顔をした小動物が立っていた。
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