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大人でも子供でも

珍しい拗ねたような物言いの壮史に胸がぎゅっと音を立てたような気がした。 急にドキドキと打ち始めた心臓に壮史の手を取り導く。 「俺も……壮史にはずっと、こうなる」 てのひらをぺたりと心臓につけられ強く早く打つ鼓動を感じた壮史はふっと軽く笑った。 和希の腕を掴み自分の膝に乗せると腕を回して和希をぎゅっと強く抱きしめると、  和希も同じように腕を回し壮史を抱きしめてきた。 「……ほったらかしになってごめん」 ううんと和希が首を振る。 「……でも」 和希は壮史の胸に顔を隠したままだ。 「……………………寂しかった」 一緒に眠り、 一緒に食事をし、 一緒の時間を過ごす。 それでもいい。 でもこうして肌に触れ抱きしめ合う時間に叶う物はない、と感じてしまう。 触れる唇や手が足りない言葉を補うように和希を満たしてくれる。 「言わせないように俺がしてたな、ごめん」  「…子供みたいで言えなかっただけ」 「大人も子供もないだろ」 ふっと笑った壮史の顔が見たくて和希が顔を上げると唇が重ねられた。 ちゅ、ちゅと啄まれ、首に回していた手を壮史の頬に滑らせ撫でた。

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