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春の夜に
和希が行為を求めるのを声でわかるように、
壮史もまた和希が欲するのを声でわかっていた。
だが、絶対にそんな素振りは見せない。
和希に言わせたいのだ。
赤く染まった身体を捩りながら欲情に濡れた目で壮史を見上げ、
わかっているくせにと文句をつけるかと思えば、何度抱いても絞り出すように強請る。
そんな和希が見たいのだ。
「眠い?」
「や、ちがっ」
「違う?じゃ、何?これ、口でする?」
壮史の手が勃ちあがった和希の性器に触れる。
「や、だ」
「嫌?じゃ…………セックス、する?」
「あっ」
後孔に入れた指をぐりんと回すと和希が壮史から顔を背けた。
「和希、したい?」
「……ん」
ニヤリと笑い、それを見られてないのをいいことに壮史は指を動かしながら首筋に吸いつく。
「ほら、言って、お強請りして」
「………や、」
先走りを絡め手を回すようにゆるゆると扱くと和希の手が壮史の腕を掴むが、それは動きを止めようとする強いものではない。
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