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春の夜に
和希は身体を捩って壮史の腕と唇から逃げ出し起き上がる。
「もうしないからなっ」
赤い顔で必死に訴える和希に思わず笑ってしまいながら壮史は寝転んで両手を広げた。
「おいで」
寝起きの、いつもより甘い鼻にかかった声でそう言われ、和希はおずおずと腕の中に収まってやる。
「昨日の和希、めっちゃかわいかった」
「や、めろって」
「かわいくてすげーエロかった」
「だからっ、やめろってば」
「…思い出しただけで、ほら」
「…っ!」
和希の下腹部にごりっと硬いものが当たる。
和希は真っ赤になりながら壮史の上から身体をずらした。
「朝勃ちだろ、トイレで抜いてこいよ」
壮史の方を見ないで素っ気なく言った和希の赤く染まった耳元に壮史が唇を寄せる。
「和希が抜いてくんないの?」
和希は赤くなったままため息をついた。
本当にこの男の身体の中はどうなってるんだ。
血液じゃなくて精液しか流れてないんじゃないか……?
でも。
この男が望む快感を与えられるのは自分だけ。
そして逆もまた然り…
和希は小さいため息を一つ吐き出してから壮史に向き直り、ニヤリと笑う唇に噛み付くようにキスをしにいった………………
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