「で、俺らは何を手伝えばいいの」 和希がパンフレットから顔をあげると西園寺は三人を前から後ろ、上から下へじっくりと眺め、顎髭をぞりぞり触りながら考え込む。 「背の高いお前とそこのお前は昼担当、で、そっちのヤツは夜担当」 和希は昼と夜両方なと言われ和希は肩を落とした。 昼間は主に飲食店やミニゲーム、雑貨屋などが商店街近くの広い公園で催されるそうで、 豪と渡邉はそれの手伝い、 夜は商店街であちこちの店がそれぞれ店のお薦めを出し、スタンプラリーをしながら好きな店舗を回るというもので、 武市と和希はスタンプラリーの案内や店への道案内などの手伝いだと説明を受けた。 このイベント、去年から始まったそうで、今年は開催が連休中ということもあり、事前の問い合わせからしてかなりの人出が見込めるらしい。 「面白そう！俺やる！」 渡邉がはいはいと手を挙げながら言うと西園寺が嬉しそうにうんうんと頷く。 「…イベントごと大好きだから」 和希の耳元でため息まじりに武市が言うのに思わず笑ってしまい、 武市は？と見上げると 「隆二がやるなら俺も参加します」 と、武市も軽く手を挙げた。 残るは、と三人が豪を見ると、豪は大きな身体をびくっと揺らしてからやりますと頭を掻きながら言った。