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どっちがお好み?
「真魚ちゃん、この子綺麗じゃないの」
「だろ?てか、真魚ちゃんはやめてくれって」
「連れてくるのがギリギリなのはこの子の綺麗さに免じて許してあげるわ」
「…聞いてねぇ」
さぁさぁと和希の肩を押しながら店の奥に連れて行こうとする彬に和希は無駄とわかっていながらも抵抗を試みる。
「あ、の、俺事情がよく飲み込めてなくて、」
「大丈夫大丈夫、とびきりの美人さんにしたげるから」
西園寺を振り返ると待合室のソファにどっかりと座り呑気に手を振っている。
和希は彬に引き摺られながら自分ができる最大限の怖い顔をして睨んでおいた。
くあぁーと西園寺が欠伸をする。
なっげーなぁー。
店の時計を見ると一時間は過ぎている。
タバコでも吸ってくるかと西園寺が腰を上げると、店の奥が騒がしくなった。
「やだ!やだってば、彬さん!」
「だーいじょーぶよぉ、すっごいかわいいから!」
店の奥に消えて行った時と同じように彬に引き摺られながら西園寺の前に連れてこられた和希を、
西園寺は顎をがくんと下げ口をぱかんと開けた間抜け面で見つめる。
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