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どっちがお好み?
「さーてほんじゃそろそろ行くか」
西園寺の声にみんなが動き出す。
行ってらっしゃーいと彬の声に見送られイベント会場の広場を目指す。
行き交う人たちの視線が痛い…
それに加えて履きなれないパンプスに膝がかくかくとなる和希を見て西園寺が笑いながらん、と腕を差し出した。
膨れながらもありがとうと小さく礼を言ってから和希は西園寺の腕に掴まって歩く。
これまでにないほどの視線を感じながら歩く広場までの10分ほどの距離がとてつもなく遠く感じた。
広場に着くと開催時間前にも関わらずけっこうな人が待っていた。
渡邉と和希はこちら最後尾と書かれたプラカードを持たされ、それぞれの配置につく。
熊になった豪はお店への案内係と迷子担当、それに和希のボディーガードも兼ねろと西園寺に言われ、
押忍!と答えた。
西園寺と武市は迷子センターと運営本部の手伝いをすると広場から離れて行った。
豪と店の位置確認をしているとヒューーーッと音が空に伸び見上げると花火が三発上がる。
イベント開始だ。
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