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切ない春休み

「戸川くん?」 「………葵!?」 まさかの再会に和希は心底驚き、その偶然にこれまで感じたことのない居心地の悪さを感じていた。 春休みを利用して和希は短期のインターンシップをと考えていた。 前の自分なら恐らく避けていたであろうそれに興味を持ったのは………良くも悪くも西園寺の影響だった。 和希はコンビニの深夜バイトをしていたのだが、常連の客から軽いストーカーに遭い、壮史を含む相澤家全員からはもちろん、壮史が連絡をしてしまった父親からも猛反対を受けたのだ。 『次のバイトが決まるまでの生活費や雑費は父さんが出すから! いやいっそもうバイト探さなくていいから!』 何故かすっかり過保護になった父親が泣きそうな声で電話をしてきて、 ストーカー事件のこともあり、和希は落ち込み、悩み、疲れ果て、 呑気で陽気なおっさんの顔を拝みに行ってみれば。 「じゃあ、うちでバイトしろよ」 と、西園寺は悩むこともなく和希に言い放ったのだ。

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