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切ない春休み
西園寺は入ってきた客に一言掛け、その客に合う接客を瞬時に導き出し、
時にはチャラいおっさん、時には紳士のように、
時には世話好きな兄貴になり、呆然とする和希を鼻で笑うのだ。
和希は主にレジや引っ張り出した服の片付け、掃除や閉店後のレジ締めなど、雑用だったが、
コンビニでのバイトより何倍も楽しくやりがいも感じた。
仕入れや利益、在庫管理など、色々と興味も出てきた和希に、西園寺が言ったのだ。
インターンシップを利用していろいろな会社と仕事を見てこいと。
これまでの和希では考えられない行動に壮史は唖然としたまま言葉を発しなかったのを思い出し、和希は思い出し笑いを噛み殺した。
手始めにと選んだ会社は壮史のバイト先の出版社だった。
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